John&Edward's blog-世の中の靴に物申す-

靴好きの2人のブログ

第2.1回〜Church's〜

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スタッズはアイデアとしては名作。でもブランドの持つ良さとのアンチシナジーに、違和感を覚える人有り??

 

Ed:今回はChurch'sですね。
Jh:ええ。少し前は73ラスト173ラスト論争でしたが今はスタッズのバーウッドが話題をさらっていきましたね。あと女性向けの展開の厚さも注目です。
Ed:結構話題の多いブランドですよね。ところで、プラダ買収後と前って違うのはラストだけですか?
Jh:ラストだけとは言われてますけども「一つの売り」であるバインダーカーフは明らかに変わってます。
Ed:それは品質が悪くなっていると捉えても?
Jh:別物になったという感じ。シワの入り方とか明らかに違います。10が5になったというよりは10がBに変化した感じです。劣化というより別物。
Ed:Bか…。ばさっと行くとダメってことだ。技術は上がるはずなのになぜ悪くなったのか。そもそも(ブック、ポリッシュド)バインダーカーフってどんな加工方法なの?カーフとガラスの間の子といった感じ?

 

Jh:あれはガラスレザー。でもブック、ポリッシュ問わず樹脂が細かく革も良い感じがします。ガラスレザーとはシワが全然違うので靴好きにこそ味わって欲しい。クリームが入ると言われてるのはそう感じているだけだと思う。というかガラスレザーに関してはシワ部分とかは劣化してクリームが入るから、全体的に入ってるような感じがするのかもしれないです。つるんとした感じはポリッシュドバインダーカーフの方がブックバインダーカーフの方がありますね。それこそつるんとし過ぎなのかポリッシュドバインダーの方はコードバンと間違えられちゃったことがありました。これはこれで見る側の見識をちょっと疑いたくはなりますが……。
Ed:いいガラスってことね。チャーチのシャノンなんかは利に適ってますよね。仕様といい革といい。個人的には嫌いじゃないですよバインダーカーフ。履き込んでみたい。
Jh:重なるけど樹脂の変化で履き込むとクリームが入りやすくなる気がするんだよなぁ。あとはブックバインダーの方が入っているような…
Ed:だからそれ感覚なんでしょ??あ、そうそう。さっきも話しましたがクラシックな靴ばかりかと思ったら最近は随分斬新なのが出てますよね。パーフォーレーションにスタッズ。あれはどう思います??確かに斬新だけれども。

Jh:バーウッドSを始めとするスタッズシリーズですね。あれはプラダの靴。アイデア的にはありそうでなかったから、そこは喝采を送りたいけど、みんなガンガン履いているのがなんというか…。クラシックな面構えでガンガン履くなら良いけど、モードのエッセンスが入ったあの靴はガンガン履く物じゃないでしょ。
Ed:でもみんな履きたいのでしょう?それこそモードアイテムとしての寿命を肌で分かってるのでは。それより気になるのはスタッズを打てば売れるという考え方。ジミーチューのメンズライン、UGGとのコラボ。何匹どじょうを探すのかと。
Jh:ただ、個人的にはプラダとの融合って意味では評価したい。見事に何でもスタッズ化しましたね。スタッズライズ(笑)。ジミーチューじゃなくて、ルブタンのこと?。クッパの甲羅みたいなの(笑)。UGGも大概。節操がない。そもそも節操なんて求めてないのですが。大体節操がないことにお洒落ピープルはなんと思わないのですか?「売れてれば良いんだよ!!」というのですか。そこにポリシーは、プライドは、自身の経験は無いのですか!!
Ed:こらこら。靴の話をしようじゃないか。それがジミーチューもあるのだよ。ジョン。星のスタッズついたやつが。
Jh:この録音で初めて名前を呼んでくれたね……。スタッズに関しては「チャーチの靴」として見るならジミーチューやルブタンの方が合ってると思う。あの辺の靴って極論使い捨てみたいなところありますからね。店頭に並んでいるときが一番キレイですし。
Ed:チャーチは作りは丁寧で長持ちもしますし、修理もしやすいですからね。
Jh:そう。靴自体のアイデアは良いんだけど、そこの矛盾がはっきりいってダサい。で、それは自分に軸があるような人にはバレてると思う。将来的には「スタッズ外してください!」みたいな要望が修理屋に殺到の予感。素体はバーウッドだかられっきとした名作なわけでして。81ラストもぽってり気味。all aboutの倉野さんが好きだって言ってたね。このままロングノーズ化が再び起きなければ形自体は日本ではアイデアはとても良いんだよ。本当に。
Ed:それはちょっと最悪。シーズンで流されてる象徴ですね。その作品を最後まで愛して欲しい所ではあるが…というかですね、錆びたりしてきたらかっこ良くなるかもしれない。そのうちそんなのも出てきそうな予感。
Jh:錆びか!!シャンハイシリーズもあるからその辺の融合はあるかもしれない。
Ed:そんな流れで、一つのひな形を使い回すと思います。

 

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Burwood "S" The Fillmoreより引用

 

 


73ラストは懐古主義。服とのバランスを考えたい。そして靴の持つ朴訥さ。

Jh:ユーズド感のあるバーウッドSか…。まぁ今後に期待ですね(笑)。話は昔の論争に巻き戻すけど173ラスト、73ラストの違いとか革をはじめとした素材、つくりの印象はどうです??
Ed:そうだね、173ラストと73ラスト。現代人の足に合わなくなったから173を開発したというのは表向きの理由だけど、簡単に言えば捨て寸に大きな違いがあるとか聞いたことある…というかパッと見でそうですよね。他の目につかない部分も変更がありそうですが。でもまさかの73ラスト復刻。なぜ?(表向きには)合わなくなったからからの173だったのに。
Jh:指が長いとロングノーズが合うんですよ。指の逃げ道を設けてあげられる。ま、足形云々よりも印象としてはプラダグループ傘下に入ったからロングノーズのイタリアチックな173になったみたいに思われていますよね。「本来のチャーチじゃなくなったー!」みたいに騒がれたりしましたが実際はそういった時代に合わせたアップデートはいくらでもありますからLevi'sの501なんかは典型。僕は173ラストは肯定的に捉えてますよ。73の寸詰まりな感じは時代的になかなか難しい。服とのバランスが取りにくい。それにぽってりだけど裏を返せば野暮ったい。復刻に関しては173が廃盤にならずに復刻なのでまぁビジネスですよ。Levi'sがビンテージレプリカ出すのと同じで懐古主義者を狙ってる感じ。あとはぽってり靴がずーっと来てるから。「チャーチ本来の73ラストはどこかぽってりとした親しみのある英国靴の…」とかいって売られてそうだ。
Ed:要はいつの時代も懐古主義者であったり現行の物に対して「オールドなのがカッコいい」みたいな人がいるわけだ。歳を取ると「昔は良かった、こんなこともあんなこともやった」なんて武勇伝を話すように。エジプトだっけな?忘れてしまったけど遠い昔、壁に動物の絵を書いたり文字を書いてた時に『今の若い奴らは…』って書いてあったらなんてのもありますし。今があってこそ昔が輝くってことだ。
Jh:そうそう。新しさを受け入れられない部分もあると思うな。ロングノーズ=ダサイみたいなもあるじゃないですか。未だに(笑)。革や中の感じはどう?革はなんか独特の復活力ありますが。
Ed:中はそうだね、新・旧と並べてバラしたことはないですが良いイメージが残ってる。中の作りも本当に「シンプル」って感じ。ステッチも抜きやすいし、ソールも剥がしやすい流石だなって思ってました。
Jh:なるほど。なんとなくヒドゥンチャネルにしなくてミゾ仕上げなところとか、ロイヤルワラント申請してないところとかにそういう中の良さは感じていました。黙々と作るみたいな。
Ed:そう、極力いらないものは弾いた感じ。洒落っ気よりも機能性。そう思うと芯がありますね。とにかく修理における利便性は凄いよ。
Jh:THE イギリス靴なんでしょうね。向こうでもお店が沢山あって履かれている人も多いですし。シティコレクションはクソでしたが。
Ed:おいおい、今回から敬語でやっていくって話をしたばかりなのに「クソ」とは何事ですか。で、シティコレクションって何?
Jh:まぁまぁ…。シティコレクションってのは世界の各都市をモデル名にしたラインのことで、グレインレザーをバインダーカーフにしてる廉価ラインのこと。だいたい6万あれば買えるんだけどまぁ…よくない笑。どうした??って感じ。
Ed:ビルケンシュトックも各都市のなまえだった気がしますが…。
Jh:割と都市名とか地名つけるのって多いですよね。向こうの風土なのかな。
Ed:全然話変わるんですけど三陽山長の名前全然覚えられないよね。
Jh:あそこはサイトの家系図みたいなのも自己満足丸出しだから。
Ed:こらこら。確かに酷いけど思い入れがあって良いいじゃないですか。

 

後半へ続く